著者:
出版社:せせらぎ出版
定価:¥ 3,990
頁数:492
発売日:2000-12
評価:5.0 / 5.0
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この書はエホバの証人という新興宗教を通して、ひいては宗教を超えて組織への依存により個人として責任ある思考や行動を執らなくなり、元来強く持っている自己愛も相まって他の人間に対しての傷みを感じる心が麻痺していく過程を窺い見ることが出来る。こういった事はこの組織に限らず大きく成長し過ぎ監査機能の伴わない組織に共通して見て取れそうである。先ず一番の問題は過去の事実を直隠し、自由に開かれた心であらゆる情報を得ることが出来なくなるという心の過程に有るのではないだろうか。人間の意識や心、意志といったものは非常に不安定で確立された物では無いという事は現代の科学や心理学の見解からでも十分に考えられます。もっと裁判などを通しても深く立ち入り、これまでタブー視されていた部分にも、もっと踏み込んで考えるべきではないだろうか。この団体が宗教法人として登録され税金を逃れているという事実はとても許容出来る物ではない。今まで理解不能と思えた証人の思考過程を窺い知る事が出来るので、より多くのエホバの証人に悩んでいる人々に読んで頂きたい、又レイモンド自身の言うように、証人の個人個人は良い人達ばかりであるが何かしら組織に対して疑問を持たない人はいないと言う言葉のとうりで、証人自身にも読んで頂きたい。
著者の心の葛藤がひしひしと伝わってきます。今ものみの塔協会において、組織に対する疑問や、矛盾を感じ初めている兄弟姉妹又、研究生と呼ばれる人々には、是非一読してもらいたい。単なる非難中傷ではなく、読んだ後に、個人が充分に考慮し答えを見出せると思う。著者の心からの、叫びに読者がどのように感じるのか答えは様々だと思うが、一読の価値のある本である。
高邁な志に端を発した活動が、組織化する過程でどのように当初の目的からズレた方向へと進んでいくのかが、客観的に明らかにされている。また、『ものみの塔』誌などに教理内容が載るまでの具体的なプロセスや背景事情が証拠文書などとともに示されており、その真偽性について疑わしい要素はほとんど見受けられない。
とりわけ、エホバ証人に関係のあった人間であれば、自分の全存在をかけて信じるよう教え込まれてきた教義が、現実には一体どのように決められ、施行されてきたのかを本書を通して知るとき、自分が何を信じていたのかもう一度考え直すよう促されることは必至であろう。事実に語らせている点も本書に説得力を加えている。すべての信者はこれを是非とも読むべきである。
宗教にかかわらず組織が出来上がる過程や
出来あった後にその組織の人間にしか
理解出来ないルールや
極端な例では組織に属するメンバーも
クビを傾げるような慣習が見られる、、
エホバの証人の中枢にいた幹部の
内部告発でさまざまな日常生活を
規制する教義の決められた過程が判る
多くの信者がこれらの規則に従い
命の危険や、仕事や家族との別離などにさらされている。
輸血が禁止されていた理由が今まで理解できなかったが
そのルールが出来上がった過程や
現在は変更されているその変更過程を知ると
組織の下部の人たちの嘆きが聞こえてくるようだ。
読みながら日本の役所組織が
思い浮かんでしまった。
今までに「エホバの証人」の文献(暴露本?)は何冊か出ているが、これはそれらとは違った。確かに体験記の部分もあるが、よくある宗教批判本のように、自分が離れることになった団体の誤りを暴露してやろうなどという恨みの感情が一切見当たらない。それどころか表現の中には組織に対して暖かい「隣人愛」すら感じられる。「それがキリスト愛である」とはまことである。また長年の活動でこの宗教組織の内部を熟知した著者であるだけに、外部には知らされない驚くべき内情が詳しく観察されてある。それらも個人的感情抜きで客観的に穏やかな書き方で提供することができる著者には尊敬の意を払わずにはいられない。
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